A級最終戦で下井竜が特進 ~岐阜競輪場~

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下井竜
S級でも積極先行で売り出していくか

 12月30日に最終日が行われた岐阜競輪FII第11レース・A級決勝に出走した下井竜(三重・117期)が、敵陣からの包囲網を破って1着でゴールした。これで下井は11月松阪FIIミッドナイト、12月小倉FIIナイター、岐阜と3場所連続での完全優勝を達成し、一年最後の12月31日付けでS級2班へと特別昇級を果たした。

 次走からのS級昇級が決まっているだけに、“特進は特に意識していない”と自然体で岐阜の決勝に臨んだ下井。レースは赤板過ぎに主導権を握った房州輝也(福島・91期)が腹をくくってそのまま駆けていく展開で、中団確保の山本紳貴(千葉・107期)に執拗なけん制を受けた下井は5番手からなかなか仕掛けられない。だが、最終ホーム手前から巻き返すと、合わせて2コーナー先まくりの山本の番手に追い上げる形となってバックを通過。絶好態勢を生かし、ゴール手前で粘る山本を抜き去った。

 自転車未経験者で選手になるまでに3年かかったという苦労人の下井だが、養成所の能力評価はオールA、競走訓練での先行回数は1位と素質の高さはデビュー当初から光っていた。レースに慣れると117期生きっての徹底先行として全国に名を売り、一年前の20年12月28日にレインボーカップチャレンジファイナルで3着に入って2班に特別昇班。1・2班戦でもすぐにトップに定着していた。レジェンド萩原操(51期)門下で力を伸ばす精鋭。機動型の層がやや薄い中部地区にあってS級でも旋風を巻き起こすか。

権田浩一記者

2021年12月30日 20時25分

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