児玉碧衣が史上初のグランプリ連覇
まさに完勝だった。児玉碧衣が豪快なまくりで圧倒。ライバルの小林優香との力勝負を制して史上初のガールズグランプリ連覇を成し遂げた。
「(初手の位置取りは)本当は3番手、4番手ぐらいがほしくて。気付いたら6番手だったので、どうしようかなって思っていたんですけど、佐藤(水菜)選手が内を空けたのでそこはすくって。(小林)優香さんの番手の状態になったので、優香さんより先に踏みたいなって思ってて。その通りになって、(乗り)越えられたので良かったです」
最終3コーナーで石井寛子、梅川風子の2名が落車。審議対象となったが「自分が締めたつもりもなかったので。審議にあがったときはヤバいかなって思ったんですけど、何とかセーフで良かったです」とホッと胸をなでおろした。
今年はガールズケイリンのトップを走り続けた。2位の石井寛子に1千万円以上の差をつけ、2年連続の賞金女王に輝いた。
「今年は自分の中で精神が一番安定していました。納得のいくレースが自分の中で増えてきた1年でした。来年はまた新人も入ってきますし、手の届かない存在になっていきたいなっていうのがすごくあるので。責任を持ってまた1年間、大きいレースからグランプリまでしっかり気持ちを入れて。大きいレースは全部優勝することと、グランプリ3連覇を目指して頑張りたいと思います」
児玉の進化はまだまだ止まらない。絶対女王としてガールスケイリンを引っ張っていく。
石井貴子は2年連続のグランプリ準優勝。最後方から落車を避けて追い込んだが、優勝に手が届かなかった。
「もう本当に悔しくて…。今回は自力選手が多くて、組み立てが難しかったですね。後方になって前が(児玉)碧衣ちゃんだったので昨年のリベンジと思って信じて付いていけば良かったのかな。外を踏んで戻って中途半端でした。落車に巻き込まれそうになって、そのあとに必死に踏んだけど2着まででした。碧衣ちゃんが本当に強かったです。まだまだ頑張れって神様に言われたということですね」
小林優香は児玉との力勝負に敗れて3着。人気に応えることはできなかった。
「自分の動く位置とか間の取り方が下手くそでした。展開の読みが甘かったです。言いわけできるならいくつかあるけど、これが本職で車券を買ってくれている人もいるので、しっかり結果を出さないといけなかった。このあとは世界選に向けてトレーニングします。(日本のレースは)次にいつ走れるか分からないけど出直します」
持ち味の先行勝負に出た奥井迪は地元ファンの声援を背に、最高の舞台を悔いなく走り抜けた。
「興奮しました。全然、緊張もしなくていけるかなって思ったんですけどね。この風の中で先行してバックも取れたので来年につながります。(児玉)碧衣ちゃんに力負けです。やっぱり女王ですね。地元の大声援を聞いて、また1年後、この舞台に戻って挑戦したい気持ちが強くなりました」
グランプリ初挑戦の佐藤水菜は児玉の動きが想定外だった。
「(児玉)碧衣ちゃんは外から来ると思っていたので、内から来られてびっくりしました。でも、流れの中で碧衣ちゃんの後ろに入れたんですが、落車があって見ちゃいました」