北日本タッグでV奪取
昨年のヤンググランプリに続いて、今年も北日本は同じ顔。高橋晋也とともに小原佑太が、この舞台に帰ってきた。ただ、違ったのは前後の並び。小原が前でチャンスメイクをした昨年に変わり、高橋に前を委ねた。
「(高橋)晋也さんは昨年の時点で、来年は前でやるとおっしゃっていた」
1年前の約束だった。そしてその高橋とワンツーを結実させた。
「(ゴールして自分の優勝はわかったので)あとは晋也さんがどれくらい残ってるかなと思った。そしたら晋也さんが2着だったって言ってたので、無事にワンツーだったんだって」
右手を高く突き上げたウイニングランに高橋が寄り添って勝者をたたえた。
レースは町田太我の主導権。もつれた番手に飛び付いた高橋が山口拳矢をさばいて番手を奪い、小原が続いた。
「町田君が行くところを飛び付いてと。(高橋が)しっかり飛び付いた時点で、ボクもちょっと車間を空けてた。それで誰か来たらなるべく合わせるような感じでと思っていたんですけど、晋也さんが強かったですね。あそこまできたらなるべくワンツーという気持ちもあった。(最終)3コーナーで自分が外に持ち出したら、晋也さんも踏み出していた。これだったら大丈夫だと思った」
普段は持ち前のスピードを生かして風を切り、北日本勢をけん引している。それだけに不慣れな番手回りだったことは想像に難くないが、心憎いまで落ち着きはらった立ち回りだった。4番手からまくる坂井洋を阻むと、最終3コーナー過ぎに外に持ち出しVロードを確保。あとは高橋の余力を見極めながら抜け出した。
「今年に入ってからG2を走らせていただけるようになった。やっぱりG2になると、F1、G3よりも全然上なものと感じた。共同通信社杯の時に準決までいけたんですけど、その舞台で優勝しないとグランプリもないですし、しっかりそこで勝ち切るという強い気持ちがないと。(来年の競輪の目標は)グランプリに乗れるくらいの賞金であったり、結果を出せるように頑張りたい」
一昨年7月にデビューした時からナショナルチームに所属している小原にとっては、競輪と競技ともに力を注いできた。
「(競技の目標はパリ五輪に向けた)オリンピックポイントが来年から始まるので、しっかり世界選であったり、ネーションズカップで勝って、ポイントを積み重ねていいきたい」
今年のグランプリは佐藤慎太郎、守澤太志。北日本勢は追い込み選手が2人で機動タイプは不在。高橋とともに。来年はグランプリの舞台に立ちたい。
町田の番手を奪取した高橋晋也が2着。
「町田君が強かったです。ドンドン伸びて行ってキツかったですね。結果(小原と)ワンツーだったので良かったですけど。1回動いてから誰も来なければ駆けるつもりで、町田君が来れば番手にいくって決めていました。去年は小原君が頑張ってくれたけど、迷惑を掛けてしまった。今年はその分もって頑張りました。優勝したかったですけど、最高のワンツーです。自転車もマッチしてきて良くなってきている」
単騎の寺崎浩平は9番手まくりではさすがに前が遠かった。力を見せたものの3着。
「2回目に切ったラインについていこうと思ったんですけど、赤板で思ったよりもペースが上がってしまった。ゴチャついたのもあっていったん、落ち着いてからと思いました。でも、一番やっちゃいけない展開でした。最後は意外と伸びたけど、もうちょっとなめるようにいきたかった。ちょっと落車だけが怖くて外々をいってしまいました。感触自体は思いのほか良かったので、収穫はあったと思います」