GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 京王閣 05/02
新世代の台頭
第71回日本選手権競輪が5月2日~7日の日程で開催された。ダービー王に輝いたのは三谷竜。96期の深谷知以降、100期台としては初めてG1を制覇。輪界に新たな風が吹き込んできた。
三谷竜と同じく、100期台の古性優も、近畿の将来を担う一人。3月の松阪記念では2度目の記念Vを飾るなど充実ぶりが目立つ。4度目の出場となった今大会は、二次予選で敗退も、1911着と3勝をマーク。今ひとつだった感触を修正し、近畿の一翼として今後の戦いに臨む。
「今回はあんまり踏めませんでした。(最終日も)前がモガき合っているのにまくれていない。普段ならまくれているんですけど。1着なんですけど、僕より吉澤純平さんや、渡邉一成さんの強さが…。力の差を感じました。(原因は)完全に調整の失敗です。立て直して、がんばらないと」
稲垣裕は近畿の大黒柱・村上義の負傷欠場により、今まで以上に責任感をもって臨んだことだろう。2度目のタイトル奪取も期待されたが、結果はまさかの二次予選で敗退。近畿の若手台頭で増えてきた番手回りに対応するため、初日から投入したフレームが仇となった。
「(2走目までのフレームは)うまく踏めたら威力のあるフレームだけど、まだ慣れていない部分もあって。準備ができたら今後使っていきたいです。でも、やっぱり今はこっち(前回まで使っていた)のフレームの方が乗りやすいですね」
稲垣と同じくS班の中川誠は、今大会が怪我から復帰して4場所目。二次予選では自慢のスピードで古性優らを撃破と復調をアピールした。しかし、準決勝は最終3コーナーから仕掛けるも、前団のあおりを受けて5着。課題と収穫の両方を得た大会となった。
「踏み出した瞬間の脚も、持続力も戻ってきました。やっと戦える感触があります。でも、(あおりを受けて)耐えてから、もう一回いく脚がない。態勢を崩されたら伸びないですね。(6月は)一カ月あっ旋が止まるので、来期に向けて頑張るしかない」課題を残すナショナル組
ナショナルチームの渡邉一は、世界選から帰国後初めてのシリーズ。レース勘と脚力がマッチできれば優出も見えたが、噛み合わずに準決勝で敗退。
「走らな過ぎて、競輪の感覚が…。レース勘が戻ってこなかったですね。最終日もレースを作るというより、展開を待たないで力技でって感じでしたからね。悔やまれるのは準決勝のレース。本来なら落ち着いていけばよかったんですけど。ラインで決めたいってのもあって、早めにいってしまいました」
脇本雄は世界選後に走った西武園記念を優出。しかし、今シリーズは持ち味を発揮できず2871着。
「今シリーズは、(世界選手権とダービーの)連戦で、気持ちが続かなかったです。(競輪のフレームも)踏んでいるリズムが合わない。(ナショナルチームの新しいトレー二ングは)競技にはいいんですけどね。いろいろ修正する必要があります。この後は5月の(競技)大会に出なくなったので、次の大会までは競輪に集中して」圧巻のリカバリー力を見せた守澤太
今大会は3人がG1初決勝の舞台を踏んだ。守澤太は二次予選、準決勝と番手回り。準決勝では目標が不発になると、神山雄らに張られて後退。誰もが着外と思ったはずだが、態勢を立て直して直線を一気。驚異のリカバリーで3着に入り、北日本勢から唯一のファイナリストとなった。今後は追い込み型として技術を高めていく。
「自力を出さないといけない時は出しますけど、基本は追い込みになりたいと思っています。今シリーズは先輩の頑張りがあって、仕事ができなかったので、次の時にはしっかりと。まだまだ、(追い込み型として)甘い部分があるので、日々勉強します」
山田英は幾度もビッグの準決勝で惜敗したが、今大会で念願の優出を決めた。
「決勝は僕が逆でも、あれ(内をすくった三谷の動き)をするし。気を回していたけど、こられてしまいました。ゴール前勝負がしたかったですね。でも、決勝に乗ったことは大きな経験になりました。(壁となっていた準決勝を)乗り越えられてよかった。今開催でいろいろ必要なことが見つかったので、帰って自転車とにらめっこします」