実績上位の佐藤一伸 ~宇都宮ミッドナイト~

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佐藤一伸
降級後は順調。格上の実力でV決める
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坂本紘規
本格デビュー3戦目で初Vゲットだ

 8月6日に開幕の宇都宮ミッドナイトは、実績優る佐藤一伸がVに最短だ。今期は6年ぶりのA級となったが、初戦の7月青森ミッドナイトでは早速完全Vと格が違った。続く函館では112着で連勝は5でストップしたが、函館では3日間、別線で戦ってVを奪われた橋本智昭とも今度は連係十分。番手なら勝機は逃さない。その橋本も7月青森モーニングで初日からオール2着の準V、続く函館もオール連対でV。函館では同県の後輩の番手を回ったが、S級でも通用していた機動力はこのクラスなら一枚上だ。
 南関勢は戦力豊富。新鋭の原田亮太に坂木田雄介、田中誇士ら機動型が充実しているのは大きい。点数上位の中井達郎や法月成祐にも勝機は十分ありそう。
 優参続きと成績が急上昇している吉田元輝、ベテラン小坂敏之の茨栃勢も軽視できない。

 “着より感じは悪くない”とS級時に話していた佐藤だけに、降級初戦の7月青森ミッドナイトをいきなり完全V、続く函館も112着。“自分は何もしていない”と謙遜していたが、青森のレースはらしさが全開だった。単騎で中団確保から力ずくでまくった特選、飛び付きを凌いで番手死守から差し切った準決、目標不発から直線コースを縫って伸びた決勝と、タテヨコ隙なく自在な持ち味を存分に発揮してみせた。失格点を取り戻せず14年前期以来のA級陥落となったものの、昨年後期にはS級1班を張っていた実力はダテではない。昇班するや好走を重ねて先が楽しみな同県の板垣昴、また、今回は橋本とも連係可能と目標には事欠かないシリーズ。機動型をきっちりガードして抜け出しを決めるだろう。

 チャレンジ戦は、新人の脚力が拮抗していて混戦模様。坂本紘規、秋本耀太郎、中村隆生、水森湧太と誰が勝っても不思議ないし、先輩期の國井裕樹、宇佐見優介もVチャンスと目の色を変えてきそう。ここは養成所やルーキーシリーズでの実績を買って坂本を本命視。
 坂本は、オリンピックメダリストで、一時代を築いた勉氏(57期・引退)を父に持ち、S級レーサーの貴史(94期)、周輝(100期)が兄と言う坂本ファミリーの一員。養成所では2回目の記録会でゴールデンキャップを獲得し、先行、まくりの自力勝負で好成績を残した117期の中でも将来が楽しみな精鋭だ。ルーキーシリーズは5月広島、6月伊東と2場所走ってともに決勝に進出。伊東ではナンバーワンの長田龍を破っている。本格デビュー戦の7月豊橋で準決敗退に終わったのは意外だったが、組み立ての失敗で力を出し切れずに終わっただけで、先行、まくりで後続を千切って2勝をマークしているポテンシャルの高さは疑いようがない。続く7月青森ミッドは112着の準Vと本領を発揮し始めた。抜群の練習環境で力を付け、持っているスピードは断然上位。航続距離はまだそれ程長くないが、タイミング良く仕掛けられれば圧勝してもおかしくない。

権田浩一記者

2020年8月4日 17時41分

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