新鋭が初優勝に挑む ~前橋ミッドナイト~

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長田龍拳
パワー発揮で壁を打ち破れるか
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佐藤水菜
GGP前の大事な一戦だ
ガールズでは佐藤水菜と尾崎睦が激突

 12月15日からの前橋ミッドナイトは、混戦必至のメンバーとなった。ここは長田龍拳の1・2班戦初優勝に期待したい。特班初戦こそ準決敗退に終わったものの、2戦目以降は手堅く優出していて、11月伊東ミッドナイトは無傷で勝ち上がっている。別線に警戒され、すんなり主導権を握れる展開は少ないが、しっかり仕掛けられればハイレベルな117期の在所1位なだけあってモノが違う。短走路の当所で別線を完封して初Vをゲットだ。近況良好な落合達彦が続いて静岡ワンツーを目指す。両者は11月伊東ミッドナイトで3日間連係したばかりで、落合が番手を回った予選、準決では連を独占している。その再現は成るか。
 メンバー中、競走得点最上位の小笠原昭太は、今期V1、準V5回と文句のつけようがない戦績だ。1月からは2年半ぶりのS級復帰も決まっており、乗りに乗っている。今期V2と復活ムードの金澤竜二を好操縦から差し脚を伸ばそう。
 小林申太に、地元の矢島一弥らの関東勢も忘れてはなるまい。若手に負けないタテ脚を持つ小林が好機にスパートなら一発も。

 前走の11月伊東ミッドナイトに続いて117期ナンバーワンの長田に注目しないわけにはいかない。伊東では連勝で勝ち上がりながらまたしても1・2班戦初Vはならずと、まだまだ粗削りな印象はあるが、高校選抜、高校総体、国体少年男子のスプリントで3冠を達成し、養成所ではHPD教場にも選ばれた能力の高さは疑う余地がない。“練習の力をまだレースで出し切れていない”というもどかしさはあるが、“デビューして経験を積んで、走り方が分かってきた。でも、まだ慣れてない部分は多いです。力があっても競輪は勝てないと感じています”と今は結果以上にレース内容にこだわった走りを追求していく姿勢を見せている。10月京王閣でのルーキーシリーズプラスで山口拳らを相手に先行勝負したのも気持ちの表れ。短走路だし、素直に力を出し切る競走が出来れば結果も自ずと付いてくる。

 勝つしかなかったトライアルを制した佐藤水菜がグランプリ前の一戦に臨む。短距離ナショナルチームBのメンバーとして厳しい訓練に励む中でも、環境に慣れてきた後半戦はVラッシュ。昨年のグランプリトライアルで腰を痛める前の勢いを取り戻す一方、フレッシュクイーンで負けるなどあと一歩でグランプリ出場圏内には届いていなかった。もどかしい状況を打破する結果が大舞台で出せたのは何よりもモチベーション向上につながったことだろう。グランプリに向けて新車を試すなど、この一戦の持つ意味は大きい。ナショナルで鍛えたスピードを生かした一撃に威力があるが、いい時の状態が戻った今なら先行でも勝負になるし、レース選択の幅は広い。初出場のバンクで手応えだけでなく、結果も出して大一番に向かう。
 同県の尾崎睦が一番の強敵だ。一年間目標にしてきた地元ホームでのグランプリ出場を逃したショックは大きいだろうが、気持ちは切り替わっている。今年の最終戦になるし、当所は過去に何度も走って優勝もある得意走路。強みを生かした自力戦で雪辱を果たして一年を終えたい。
 佐藤、尾崎が互いに意識し過ぎるようなら、増茂るるこ、土屋珠里、高橋朋恵、黒河内由実らにも出番が巡る。

権田浩一記者

2020年12月14日 23時36分

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