地元コンビが混戦を制す ~武雄ミッドナイト~

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立部楓真
j地元戦でレースを支配する
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貴志修己
落車後でも主役の座は譲らない

 12月22日開幕の武雄ミッドナイト。戦力が充実しているのは九州勢だろう。中心となるのは立部楓真、好永晃の地元コンビだ。立部は10月防府から6連続優参中と力を付けている。その立部が積極的に仕掛ければ好永にチャンス。降級の今期はここまで優勝がないだけに、地元最終戦を優勝で締めたい。田中陽平に高比良豪も争覇級の追い込み型。そろって勝ち上がれば、強力な九州ラインが完成する。
 越智展孝にもチャンスがありそう。今シリーズは同県の犬塚貴之に久樹克門と四国の機動型が豊富。シリーズを通して目標に事欠くことはないだろう。越智自身も優勝こそないが、コンスタントに決勝に乗っていて近況は良好。そろった機動型を目標に優勝争いで優位に立つか。久樹は力強い先行が持ち味で、12月小倉ミッドナイトでは久々に優出するなど状態は上向き。ダッシュ強烈で好きなタイミングで仕掛けられる強みを持つ犬塚は11月防府の落車からどこまで立て直せるかだ。
 点数上位なのは立花成泰、高嶋一朗の岡山コンビだが、他地区に比べると機動型が手薄。仕掛け積極的な田中和磨が勝ち上がってくれば形勢は変わってくるが…。

 注目は成長株の立部だろう。野球からの転身組で、強靭な地脚が武器。“脚が痛くなるくらいしっかり練習して”力を付け、“長い距離を踏めるのが武器なのに、弱気な競走をして負けるパターンが多かったけど、そういう競走がなくなった”と、レースに慣れるに従ってチャレンジで連を外さない快進撃が始まった。7月の昇班し、いくらか時間は掛かったが、10月防府で決勝に乗ってからは1・2班戦でも波に乗った。11月久留米の決勝では松本秀、外田心を相手に打鐘から目一杯駆けて、松本の特進を阻止する橋本瑠のVに貢献している。ここもやる事は一つ。同県の先輩を連れてレースを支配する。

 12月豊橋での落車の影響は気掛かりだが、出走なら貴志修己が主役の座を譲らないだろう。落車する前は11月松阪ミッドナイト、富山と連続優勝。松阪の優勝は上がり11秒1の快速まくりを決めて後続に5車身差を付ける圧勝劇だった。野球出身だが、養成所の能力試験で3回全てAを獲得した素質の高さは折り紙付きで、トップスピードの高さは光っている。“長い距離を踏めるのが持ち味。とにかく小さいレースはしない様に、力を出し切りたい”。先行基本の積極策で攻めるレースを見せていたが、デビュー2場所目から準V4回で、初優勝まで8場所掛かり、“もっとスイスイ行けるイメージはあったんですけど、まだレースをつかみ切れていないところがある。主導権を取る競走を心掛けていたんですが…”ともどかしい状況を話していたのが、ようやく軌道に乗ってきたところ。“年内で特班”という目標は果たせなかったが、ここで立ち止まれない。
 対するは、倉田紘希-下岡将也の三重コンビ。11月大垣ミッドナイト決勝では両者でワンツー決着を果たし、倉田が初優勝している。“自分のペースでベストを尽くしたい”と言う倉田が無欲で駆ければ再現も十分だろう。

権田浩一記者

2020年12月22日 00時22分

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