和田健太郎がGP初出場で初制覇 ~平塚競輪場~

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和田健太郎
表彰式で賞金ボードを高らかに掲げる
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4コーナーで空いた内をスルリと抜けて直線で鮮やかに強襲
信頼できるラインを形成して掴んだ栄光

 『KEIRINグランプリ2020』は令和2年12月30日(水)、3年ぶりに平塚競輪場で行われた。昨年度の覇者・佐藤慎太郎(78期・福島)以外は誰が勝っても初優勝となる一戦。東京オリンピック代表候補の脇本雄太(94期・福井)とメンバー最多の11回目の出場となる平原康多(87期・埼玉)が夢のタッグを組むなど、競輪ファンの熱視線が注がれる中で行われた大一番は、地元の郡司浩平(99期・神奈川)に前を託したグランプリ初出場の和田健太郎(87期・千葉)が最終4コーナーで大きく空いた内を突いてゴール線を一番に駆け抜けた。

 レースは号砲と共に松浦悠士が飛び出して正攻法に構える。その後ろに郡司浩平、和田健太郎の南関勢が陣を取る。新田祐大が率いる北勢が後ろ中団。脇本雄太、平原康多が後方に構えて隊列が落ち着く。赤板でも隊列に大きな動きはなく、脇本が打鐘手前から勢いよく叩きに出て主導権。松浦が前受けから飛び付きを狙ったが平原が凌いで脇本に続く。5番手で脚をためていた郡司浩平が最終1センターからまくり上げ、松浦も合わせる形で踏み込むも共に外へ浮く。清水裕友が松浦の内からまくり気味に踏み込むが平原康多が懸命にブロック。4コーナーで空いた内を和田健太郎が鋭く伸びて直線で突き抜けた。
 
 「嬉しいのひと言ですね。だいたいあのような展開になるとは思っていました。最終的に郡司の直感に任せていました。自分自身は平常心でやれたと思う。郡司がきつそうだったので申し訳ないけど内へ行かせてもらいました。ちょうど空いたので。自分が持っているというより郡司がやってくれたのでコースが空いた。(来年1年間1番車ということに関しては)非常に気が重い。位置取りだったり責任だったり。(グランプリを優勝して)これで満足していないっていったら全競輪選手に怒られますよ。でもまだドッキリじゃないかって思ってますよ」
 
 ラインを組んだ和田にチャンスメイクをした地元の郡司浩平は悔しさの中にも嬉しさをにじませる。
 「サラ脚でまくれないなら仕方ないですよね。あの位置になって被るよりはと思って仕掛けたんですけど。和田さんとゴール前勝負ができればよかったんですけどね。でも和田さんが獲ってくれたので仕掛けたかいがありますね。来年はもっとタテ脚を付けないと。リベンジできるように頑張ります」

 ゴール寸前でグランプリ制覇を逃した脇本雄太。初めてラインを組んだ平原との連係を振り返る。
 「自分の中で最善は尽せたと思う。これだけやって負けたならしかたない。自分の中で初手は理想の形でしたね。新田さんの後ろから進めたかったので。松浦君の動きが自分の中で想定外でしたね。あんなに持ってくると思わなかった。自分の中では優勝した高松宮記念杯と同じ感じで走れたと思うんですけど、周りが自分のレースを研究しているなって感じました。平原さんと初めての連係だったしやった方だと思います。お互いに今まで敵同士として戦ってきたけど、今回ラインを組んで。平原さんに任せてもらえたのは光栄ですし、お互いに尊重しながら戦えた。関東の若手や近畿のベテランにいい刺激になったと思います。負けて悔しいですけど、走っていて楽しかった」

細川和輝記者

2020年12月30日 18時36分

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