地元コンビが奮起 ~西武園ミッドナイト

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山田義彦
地元戦はきっちり勝ちたい
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佐藤水菜
グランプリレーサーの貫禄示す

 脚力が伯仲していて混戦模様だが、地元の山田義彦が連軸には最適か。10年後期以来のA級陥落となったが、今期初戦の1月前橋ミッドナイトは初日特選からオール2着の準Vと無難なスタートを切った。まくり兼備のタテ脚はA級ならまだまだVを争うレベルだ。誘導員早期追い抜きで長期欠場を余儀なくされた伊藤慶太郎が地元での復帰戦に奮起しそう。この伊藤の仕掛けに乗って有利に抜け出す。点数最上位の宮内善光も見逃せない。失格点でA級に逆戻りとなったが、堅実無比なレース運びには定評のあるところ。地元勢との連係からどこまで突っ込めるか。
 S降りの鈴木良太、動き軽快な落合達彦の静岡勢も有力なV候補だ。目標にする原田亮太は11月青森で逃げ切り初優勝を果たすなど売り出し中の徹底先行。ここも先制有力で、静岡コンビに流れが向くか。
 照井拓成に、坂本毅、金子兼久らの北勢も大差ない。照井はまだ粗削りながら、持っているスピードは非凡。一気攻撃が決まればラインで上位独占に導くことも十分だろう。

 怪我も多く、10年守ったS級から遂に陥落となった山田だが、しっかり練習できる体調に戻り、“自転車への力の伝わり方もいい”と、11月当所271着など降級直前には連対を重ねていて調子を上げて今期を迎えた。まくり脚はまだまだ健在だし、番手戦もソツなくこなす姿からは格上のオーラが漂っている。“長年S級でやって来たから落ち着いて走れている”と今期のスタート戦は連日、先行選手を盛り立てながらオール連対。2走目はさらに差しの精度も上がるだろうし、V獲りへ一直線だ。

 新年初戦となる佐藤水菜が主役を務める。昨年は腰を痛めて厳しい時期もあったが、踏ん張って12Vをマークし、逆転でグランプリ出場を果たした底力は超一流の証。ナショナルチームでのトレーニングでスピードのキレが一段と上がっており、ここも狙い澄ましての一撃で決着を付けるか。
 細田愛未は目下4連続優勝中。今の勢いなら佐藤を破っての5連覇も十分だろう。自力基本の自在戦が身上で、後方にならない組み立てから自力発進で地元戦Vを狙っていく。
 野本怜菜に、藤田まりあも地元戦に闘志。野本は直前の1月京王閣の予選2で逃げた奥井迪の番手を取り切って勝っており、細田と同様に柔軟な立ち回りで流れに乗っていければ浮上も。
 ともに落車明けの梶田舞、中村由香里はまず初戦の動きを見て判断していきたい。
 位置取りにこだわった走りに徹するようになった伊藤のぞみも伏兵で見逃せない。

 主役の佐藤にとっては、ナショナリチーム入りが何よりも大きな昨年のトピック。追い込んだ練習をひたすら繰り返す毎日で鍛えられ、「レースに臨むときの気持ちの持っていき方も全然違いますし、今は自信を持って走れているところが一番大きく変わった」。自転車もセッティングも、ナショナルチームに合わせたものとなって、以前からは一変。タイムも格段に上がった。かつては相手の反撃に合わせて何度も踏み直していくような競走だったのが、今は戦況を見て、ここというところで一気にスパートしていくスタイルへ。乗っている地元の細田らを一蹴するか。

権田浩一記者

2021年1月8日 00時21分

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