佐々木悠葵が開設72周年記念『玉藻杯争覇戦』を制覇 ~高松競輪場~
ラインの結束力で別線の抵抗を退けて記念初制覇
12月6日(火)に高松競輪場で行われた開設72周年記念『玉藻杯争覇戦』の決勝は強力4車ラインを形成した関東勢が別線を封じてレースを支配。先頭で風を切った眞杉匠を番手で的確にリードした佐々木悠葵(115期・群馬)が自力に転じた稲川翔を張りながら直線で抜け出して嬉しい記念初制覇を達成した。
「今まで(G3を)取れる感じは一回もなかったので。獲れたらいいなって思ってはいましたけど、夢がかなった感じです。今のグレードレースは獲るのが厳しいと思うので、奇跡みたい」。昨年2月に当所で行われた70周年記念『玉藻杯争覇戦』で記念デビューを果たし、準決勝は平原康多を背に果敢に攻めて惜しくも4着で決勝進出を逃してしまった佐々木。地元で行われた寛仁親王牌あたりから復調ムードを漂わせていたが、あれから約一年と10か月。成長した姿を高松競輪場のファンの前で披露した。
「チャンスがあるからこそ狙われる位置」。関東4車で結束すると決まり、前日から別線の包囲網を特に警戒していた佐々木であったが、眞杉のラインを生かす走りにも助けられて番手から有利に抜け出した。
「(関東4車で結束することとなったが)最初は別なのかなって思ったんですけど、吉澤さんと宿口さんに気持ちを聞かせて欲しいって言われて。吉澤さんに(番手を)任せてもいいって言われたので、まとまりたいですって伝えました。(眞杉は)G1で戦っている選手なので、ダッシュが凄かったです。稲川さんは自分の所を狙ってくるだろうなって思っていたので、やられてもやり返すくらいのつもりでいました。(結果的にラインで出切って、最終バックで稲川がまくりにきたが)来ているのが見えたので、ちょっと踏んだら止まって。眞杉君も頑張っていましたし残るようにと思いながら踏みました」。
今シリーズは捌きも駆使した自在性のある動きで決勝へと勝ち上がり、ワンチャンスをモノにした佐々木。ラインのありがたみを感じながら、さらに脚力アップに努めてラインの先頭としても強い気持ちで戦う覚悟を決めた。来年はさらに飛躍できるようにと、総合力の高い選手を目指している。
「ラインのおかげで優勝できたので。関東の先輩たちにも恩返しをしていけるように。(落車をして)怪我とかで自転車の乗り方がわからなくなったときもあって、ヨコをやられたら落車しちゃうなっていうのがあったんですけど、いまは自転車にどっしり乗れるようになったので。寛仁親王牌くらいからですね。なので今までは弱気だったんですけど、これからは何でもやっていけるように。その中で先行もできるようにしたいですね。今までG1は準決勝までしか行ったことがないので。決勝に上がれるように頑張っていきたい」。
115期で記念制覇達成は坂井洋に続いて佐々木悠葵が2人目。同期の坂井らと力を合わせて若い力で関東地区を盛り上げていきビッグ戦線でも存在感を示す。