【コラム】スタイルチェンジの太田竜馬 ~広島競輪場~

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太田竜馬
キツさのあまり表情をしかめる太田選手
安定感を求めて一発屋からの卒業

 3月4日(木)から広島競輪場を舞台に行われている『瀬戸の王子杯争奪戦』。太田竜馬(109期・徳島)が連日、攻めに攻めている。今までは得意のまくりを中心に白星を量産するいわゆる“アタマ選手”であったが、初日、2日目と早めの巻き返しで、2着を並べ準決勝に進出。決して派手さこそないが今まで以上に“ライン戦”の意識を強く持ってレースに臨んでいる。2018年には競輪祭の決勝に進出。同年の年末に静岡で行われたヤンググランプリを制した実力者。2019年には記念競輪を4度制しているが、本人は「今の方が強い」とキッパリと言い切る。

 「昔は脆かった。昔より今の方が強い。今までは“一撃必殺”のスタイルでしたけど、同じような相手(まくり屋)が一緒だったりすると、そう巧くいかんので。展開任せになってしまう部分もある。セッティング自体もそう(まくり仕様)だった。でも今は“ライン”でって考えて」。今はレーススタイルをチェンジしている最中だ。

 二次予選は野原雅也が打鐘過ぎに近藤隆司を叩き切ると、最終ホーム手前から一気の巻き返し。地元の大屋健司には差されたが見事にワンツーフィニッシュ。「楽に勝ち上がれることはないんで。あっこで行くのが最善かなって。きついですけど出し切らず終わるよりもええんで。最後にタレてしまうのはしゃーない。今はそこ(後ろの大屋)との勝負じゃない。出切らんとしゃーないんで全開でって踏めば。そこ(番手選手)との勝負を考えたらまた仕掛けが変わってしまう。相手はそこじゃない」。「脚が焼き千切れそうなくらい痛いっす」と顔をしかめる太田ではあるがどこか清々しさも感じる。

 「去年、ここ(広島)の記念は初日にやらかしておっきな花火を上げてしもうたんで今回はって感じですね。しっかり頑張ります」。昨年12月に行われた広島記念はまくり不発で大敗。まさかの予選敗退を喫しているが、今年はスタイルを一新して準決勝まで勝ち上がってきた。ここでも攻める姿勢を心掛けて決勝進出を狙っている。

細川和輝記者

2021年3月6日 09時50分

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