「一戦一戦の気持ち」で新田祐大が決勝へ ~小田原記念~

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新田祐大
全てを出し尽くして人気に応える
突っ張り先行でレースを支配

 小田原競輪場開設74周年記念『北条早雲杯争奪戦』は2日目が終了。11レースではS級S班の新田祐大(福島・90期)が残り2周半から突っ張り先行。自身は2着だったものの、別線にレースをさせなかった。

 今の新田は何でもできる。そう印象付けるには十分過ぎる内容だった。残り2周半で瀬戸栄作の上昇を突っ張り、赤板1センターから仕掛けて叩きに来た藤井栄二も出させない。そのまま先行し、完全にレースを支配した。
 「前から始めようってことで。残り2周までは想定内だったんですけど、思ってたよりも動きがなかった。そこからは自分の力を出してと。瀬戸君の動くタイミングが遅くて、その後の動きも自分の想定よりも何テンポか遅いと感じて、気付いたら先行でしたね」

 番手の和田圭に差しを許して2着だったものの、長い距離を踏み切ったことは無駄ではない。S班としての責任を感じながらも、レースの中でやるべきことをしっかりと果たした。
 「人気は(新田の押し切りと和田の差しで)逆だったと思うし、2着でお客さんには申し訳なかったですけど、修正するべき部分が見えたので長い距離を踏んで良かった。(ラインの)3人でゴール前勝負ができたなかで、和田さんとワンツーが決まって良かった」

 今年に入ってからの新田は、ヨコの動きもいとわない前々に勝負する動きが特に目立っている。最善の一手を常に模索して、一つ一つのレースを大事に戦っている証拠だ。
 「今日も、最初からガリガリ先行するつもりじゃなかったですし、レースの中で判断してそうなった。組み立てや、ヨコを意識してるってことではなくて、本当に一戦、一戦の気持ちで戦っている結果がそういう動きになっている。やっているこっちはめっちゃきついですけどね(笑)」
 貪欲に勝利を求める今の新田は、相手からすれば恐ろしすぎる。準決勝11レースも、やれることは全てやるつもりだ。

熊谷洋祐記者

2023年4月14日 19時13分

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