神山雄一郎が900勝を達成 ~函館競輪場~

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神山雄一郎
宇都宮記念の時に撮影した一枚
数えきれないほど思い入れのあるバンクで節目を達成

 6月3日(土)に函館競輪場で幕を開けたF1ナイターシリーズの初日予選8レースに出場した神山雄一郎(栃木・61期)が節目となる通算900勝を達成した。通算900勝達成は史上16人目となるが、S級制度が導入された83年4月以降のデビュー選手としては史上初めての快挙となった。

 レースは目標の蕗澤鴻太郎が正攻法の構えから竹内翼を突っ張ってそのまま主導権。番手を回った神山雄一郎が車間を空けてリードしながら、まくってきた蕗澤鴻太郎を張りながら直線で追い込み1/2車輪差でゴール線を駆け抜けた。
 
 勝利者インタビューに登場した神山雄一郎は函館競輪場のマスコットキャラクターの〝りんりん〟から花束を受け取っから姿を現して、函館競輪場の思い出と共にファンに喜びを伝えた。
 「函館は思い出深いバンクなので。地元の宇都宮では決められなかったので、なんとか函館で決めたいと思って頑張ったので。お客様も声援をくれたので。函館のS級デビュー戦、僕が21歳の頃なんですけど、その時に地元の大橋秀人さんと堂田将治さんを連れて先行したのが最初のS級決勝戦だったので、それも凄く覚えていて。あとふるさとダービーの函館を優勝したっていうのが、なんとなく自分の飛躍のきっかけになったかなって思っています」
 
 前走は地元の宇都宮記念。もちろん期待されていた地元シリーズで決めたい気持ちが強かったことには違いないが、4月玉野で今年2度目の落車に見舞われるなど、思うように走れなかった苦しさと悔しさが込み上げてきた。
 「本当にここ半年くらいは凄く苦しくて、記者の方も最終日まで待っていてくれたりとかしてもらって、その期待に応えられず、ファンの方にも僕からメモリアル車券を買おうと思って、僕の1着を勝ってもらっていても、ここ半年くらいはその期待に応えられなくてすみませんでした。凄く苦しい半年間でしたけど、それに耐えられるように一生懸命練習してきました。その成果が今日出たと思っています。練習は嘘をつかないと思って。とても自分でも嬉しいです。また明日久々に準決勝に乗れるので、脚はだいぶ良くなってきていますから。あと2回勝つことはできないかもしれないですけど、なんとか確定板に乗れるように精いっぱい頑張ります。まだまだ走るつもりでいますので、応援してください。また頑張ります。ありがとうございました。本当にお待たせしました。ありがとうございました」
 
 集まったファンへ感謝の気持ちと共になんども何度も頭を下げた神山雄一郎。デビューから35年。今年で55歳を迎えても気持ちに信念にブレはない。常に〝競輪〟と真摯に向き合ってきた競輪界のレジェンドが新たな記録を打ち立てた。

細川和輝記者

2023年6月3日 20時22分

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