今年は静岡で頂上決戦
今年も輪界最高峰のメンバーが顔をそろえたが、頂点に最も近いのは脇本雄太だ。数少ない出場機会ながら、今年は競技と競輪がリンクして圧巻のパフォーマンスを見せ付けた。ダービー、宮杯では別線を完封して三谷竜生のG1連覇に貢献。オールスターは浅井康太、渡邉一成らを退けて悲願のタイトル奪取に成功した。さらに、それだけに止まらず、続く親王牌は別線の包囲網を物ともせずに連続Vを達成。競輪祭では優勝こそ逃して準Vも、力を出し切ってレースをきっちりと支配した。グランプリはダービー決勝と同じメンバーで連係だが、今度は押し切って頂点に立つ。三谷は夏場に状態を落としたが、親王牌を準Vなど、秋から復活。競輪祭こそ失格に終わるも、続く広島記念は着と立て直しに成功した。さらに状態を上げて、本番では最高のパフォーマンスを見せる。村上義弘は2年ぶりのグランプリ。今年はG1制覇こそなかったが、ダービーで準Vなどビッグでも変わらぬ存在感を放った。競輪祭こそ一息に終わるも、過去10回のグランプリ出場経験で、きっちり仕上げてくるだろう。村上博幸は後半戦で目立った活躍こそなかったが、義弘と同様ここ一番の勝負強さは折り紙付きだ。
平原康多は3月名古屋記念、オールスターでの落車こそあったが、逆境を乗り越えて変わらぬ安定感を披露。共同杯では清水裕友、山崎賢人ら若手の挑戦を退けて9度目のビッグ制覇を飾った。その後も親王牌、競輪祭を優出と、輪界のスピード化にきっちりと対応している。究極のオールラウンダーらしく多彩な戦法を駆使して初戴冠を果たそう。武田豊樹はオールスターのアクシデントから低空飛行が続く。競輪祭でも3走目にまた落車の憂き目と、状態が気がかりだ。グランプリまでの1カ月間でどこまで戻せるか。
浅井康太は記念を3VやG1の表彰台で賞金を積み重ね、競輪祭前にグランプリ出場が決定していた。そんな中での競輪祭だったが自力、番手と卓越した立ち回りで5走オール連対の優勝。続く四日市記念でも鋭いまくりで連続Vと最高の状態を保っている。この勢いのまま、グランプリ連覇も果たす。
未知数だが、新田祐大も侮れない。今年は全日本を制して、早々と静岡行きが内定。さらに、ダービーも優出と爆発的なタテ脚は健在だった。しかし、オールスター後から競技の関係で出走はなし。約4カ月ぶりの実戦だけに、レース勘が鍵となろう。
清水裕友は今年の夏から最前線で大活躍。競輪祭で決勝3着に入り、一気にグランプリ初出場を決めた。若さと勢いに任せた大胆不敵な攻めで強豪に立ち向かう。