関東勢が呼吸を合わせてGDR賞への切符を手に ~いわき平競輪場~

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平原康多
大舞台で吉田との久々のワンツー決着に喜ぶ平原選手
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佐藤慎太郎
地区を超えた絆で別線完封に成功した佐藤選手

 5月4日(水・祝)にいわき平競輪場で第76回日本選手権競輪のシリーズ2日目が行われた。ゴールデンレーサー賞への切符を賭けた特別選抜予選の10レースと11レースはともにライン決着で絆を示し、空中バンクに集まったファンを魅了した。

 10レースは吉田拓矢(茨城・107期)と平原康多(埼玉・87期)のS班タッグが別線完封に成功した。号砲とともに2番車の鈴木裕が飛び出して、初手で中団に構えた吉田拓矢。中団で煽りを作る郡司浩平の動きに惑わされることなく打鐘から山田久徳を叩いて主導権。番手の平原康多は余裕を持ってリードしながら、最終2コーナーでまくりを狙った山田庸平をブロック。2センターで内を狙った郡司の中割りを許すことなく、最後の最後まで吉田をサポートしながらゴール寸前で交わしてみせた。

 「あれだけ頑張ってくれたので自分もスイッチが入った感じですね。山田君を止めてから内に来られたのがわかったので厳しいかなって思ったんですけど凌げたので良かった。この舞台で、まして2車で、あの競走(でワンツー)なので走っている本人もしびれましたね。体は悪くないですけど、バンクコンディションが良くなくて、全部向かっている感じだったので、(相手は)先行に対して臆したんだと思います」
 
 会心のレースを披露した吉田拓矢も笑顔で共同インタビューに応えた。
 「2車でも先行して平原さんとワンツーなので。本当になかなかなかったのでうれしいですね。僕的には自分のレースをするだけだった。結果、残れて良かったです。(初手は)前か中団でって感じで徹底先行がいなかったのでペースに入れられるかなって。余裕を持ってバックを迎えられたので、あとは平原さんがなんとかしてくれると思っていました」
 
 11レースは地元の佐藤慎太郎(福島・78期)を背に深谷知広(静岡・96期)が完璧なレース運びで別線を圧倒。道中のペース配分も、ゴール前の末脚もさすがの一言で、確かな手応えをつかんでいる。
 「(特選の組み立ては)メンバー的にも、ライン的にも先行が100パーセントでした。あとはどのタイミングで(仕掛けて)行くかだけだった。ジャンから落ち着いて自分のペースだったし、あとは松浦(悠士)の位置と動きを意識して踏み直した。それができて逃げ切れているので100点だと思います。(ラインでの上位独占が)一番うれしい」
 
 ゴール後に深谷知広の背中を叩き喜びを分かち合っていた佐藤慎太郎。
 「とにかく今日に関しては深谷君が気持ちを入れて走ってくれたおかげですね。自分もラインを組む以上は同地区のつもりで走っていましたし、深谷君も同じ気持ちだったんじゃないかなって思います。深谷がいいペースで、走りやすいペースでいってくれた感じです。掛かりが良かったので、(別線は)まくってくるのは大変かなって感じてました。深谷の踏み直しがすごくて、僕も脚が削られた。(前回の)落車の影響はないと思います」
 
 ゴールデンレーサー賞を走る9名は5月5日が休養日に。万全の状態に調整して5月6日に熱い戦いを繰り広げる。

細川和輝記者

2022年5月4日 18時34分

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