『波乱の2日目』平原康多が最終12レースを勝ち切る ~京王閣競輪場~

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平原康多
体の変化に耳を傾けながら上方修正している
体と向き合い本来の動きを取り戻しつつある

 10月29日(日)に京王閣競輪場で行われた開設74周年記念『ゴールドカップレース』のシリーズ2日目。6レースからは準決勝への切符をかけて二次予選が行われたが、落車のアクシデントと失格もあり波乱の連続。9レースでは地元の鈴木竜士が敗れてしまい3連単で19万オーバーの高配当も飛び出したが、最終12レースはS班の平原康多(87期・埼玉)が人気に応えて抜け出し準決勝への勝ち上がりを決めた。
 
 「(初手で中団が)取れたら良いなとは思ってました。(佐々木が)あんなにフカすとは思わなくて、やっぱり山崎さんが付くと行くんですね」と初手は思惑通り中団の位置こそ取れたが、佐々木堅次の突っ張り先行までは想定外であった。それでも「河合も良いところで行ったし、ゴールまで持つかなと思ったんですけど。2センターからタレて来てましたね。もうちょっとやりようはあったかなと思うけど、ギリギリだったんで。山崎さんが内に入ってきて腰砕けになるのが嫌で踏ませてもらった」と冷静に状況を判断して抜け出した。

 初日特選は落車と失格のアクシデントもあり、状態面を判断する材料は限られてしまうレースとなってしまったが、しっかりと軌道修正に成功。日々良くなっている体の変化に配慮しながら自転車のポジションを修正している。
 「昨日(初日)自分の中で修正点があったんで、自転車でなんとかなるところは修正出来た。サドルが5ミリくらい前に出ていたのを戻しました。腰痛がかなり良くなっているので、元のポジションで踏めるようになってきましたね。腰が痛いと背中を張って乗れなくて、腰を丸めてこじんまり乗るしかないんですけど、痛みがなくなってきたのでいつもみたいに大きく乗れるようになってきましたね。どうしてもこじんまり乗るようなポジションだと踏みしろもなくて、一回の踏み込みが浅くなってしまう。でも大きく乗れるようになれば、一回で踏んだ時の進みも変わってくるんで全然違いますね」 
 
 今年三度の落車に見舞われた平原康多は、右の肩甲骨骨折、腰のヘルニア、グロインペイン症候群で体はボロボロ。しかしながら決して心は折れることなく「止まったら終わりなので」と戦い続けている。「腰のヘルニアと股関節の痛みのダブルはかなりきつかったですね。だから今考えれば肩甲骨骨折なんてかわいいモノでしたよ(苦笑)でもやっと良くなってきましたし、走るごとに日々良くなっているんで」と苦しい時期を乗り越えてようやく笑顔が戻ってきた。
 
 準決勝はスーパーダッシュが持ち味の坂井洋の番手回り。「腰が砕けてもついていきます」と覚悟を決めて一歩目に集中する。



細川和輝記者

2023年10月29日 22時33分

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