最終バックからまくりに転じる

　3月3日（日）に玉野競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪玉野競輪開設73周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦（GⅢ）」の決勝戦が実施された。
　松浦悠士、山口拳矢、眞杉匠のS班3名に加えて、地元の取鳥雄吾や岩津裕介、平原康多など好メンバーが激突する中、最終バックからまくりに転じた松浦が勢いそのままにゴールを先頭で駆け抜けて今年初の記念制覇を果たした。
　
　レースはスタートで平原康多が飛び出して関東勢が前受け。中団に中国ラインが入り、山口拳矢率いる混成ラインが後ろ攻め。7番手の山口が赤板で眞杉を押さえにいくと、取鳥もすかさず反応して赤板の2コーナーで先頭に立つ。後方へ下げた眞杉が巻き返しを狙うも、取鳥が打鐘手前からペースアップ。中団4番手に追い上げた眞杉が最終ホームから反撃に出るも、取鳥も抵抗。松浦は取鳥と眞杉の踏み合いを見て態勢を整えると、バックから一気にまくりに転じて後続の追撃を振り切った。

　優勝インタビューでは「（取鳥）雄吾の頑張りに尽きると思いますし、地元で番手を回していただいた岩津さんもいましたし、2人のおかげっていう方が大きいですね。（初手は中団からで）一番理想的な展開かなって思ったんですけど、ジャンで眞杉君が中団に収まったのでまずいなって。でも一人で来てくれたましたし、雄吾も頑張ってくれたので僕と岩津さんにチャンスがきたのかなって思います。もう山口君は見えていなかったですね。雄吾が入るのか合わせるのかを見ていたんで。バックが向かい風でしたし、来られる前にいかないとなって。出だしは高松（記念の決勝）よりも良かったんですけど、最後はタレたのかなって。でも岩津さんが追走していてくれたので、ラインで決められたと思います」と激闘と振り返った。

　シリーズ通しての話に及ぶと「日に日に状態は上がってきていたんですけど、乗り方も考えてうまく体を使えたと思います。（バンクとの相性の良さも）あると思います。地元と変わらない応援をしてくださるので、地元と変わらない力だったりパフォーマンスは出せたと思います。（このあとは）変わらず新しい練習を続けて、きついメニューですけど、ダービーに向けて追い込んでいきたい。今回はラインの力で勝てましたけど、自分が先頭で勝てるのが望ましいことだと思っているので。これで満足せずG2、G1で結果を出せるように頑張っていきたい」とファンの声援に感謝し、今後のビッグ戦線に向けての抱負を語った。

• 選手詳細データ

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  松浦悠士 選手広島・98期