小倉竜二が白星スタート ~小松島競輪場~

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小倉竜二
町田太我との二次予選は落とせない
リニューアルされたバンクで地元記念初制覇を

 21年後期最初の記念が小松島競輪場でスタートした。開設71周年記念「阿波おどり杯争覇戦(G3)」は、7月1日に初日が行われ、メインの特選では地元勢がワンツーを遂げた。S級S班の松浦悠士とは別線となった地元ラインの先頭を務めた太田竜馬がレースの主導権を握った。ラインの3番手を固めた小倉竜二(徳島・77期)は、外を踏む番手の阿竹智史と逃げた太田の間を鮮やかに突き抜けて幸先のいいスタートを切った。
 96年4月にプロとして一歩を踏み出した小倉は、デビュー3年目となる98年12月に観音寺でふるさとダービーを制してビッグ初制覇。翌99年の競輪祭で優勝を飾り、早々にタイトルホルダーの仲間入りを果たした。その後も20年以上、タイトル戦線で中四国勢の機動タイプの絶大な信頼を得ている。01年2月に地元の小松島で2度目のふるさとダービー制覇。06年の競輪祭でも再びG1を奪取した。45歳を迎えた今年も5月の前橋で8度目の記念制覇を遂げたが、まだ地元記念での優勝がない。口にこそ出さないが、4度のビッグV以上に喉から手が出るほど欲しい地元記念Vなのは想像に難くない。
 前回の高松宮記念杯では3日目に落車失格の憂き目。中10日で迎えた今シリーズ、小倉は真剣な眼差しで猛省から始まった。
 「自分では隙はないつもりだったけど…。負け体で無理をしたらああなる。結果、ご迷惑をお掛けして反省しました。古性(優作)君も(決勝に)乗れてないですし、ああいうことにならないように。ただ、(古性は)ハンドルを抜きながら降りてきたんで、あれはすごかった」
 地元のG1にかける思いを知っているからこそ、準決で4着に散った古性の無念は痛いほどわかっている。その思いを胸に“公正安全”をモットーに小倉が地元記念に臨んでいる。
 初日特選で弾みをつけた小倉の2日目の二次予選(11R)は、今を時めく町田太我とセット。初連係をインプットしつつ、「何回目だっけ? 初めてか」と、茶目っ気も忘れない。
 「(町田は)どこからでも行けると思うから。2周行ってくれれば(笑)」
 こう言うが、目標の自力選手には注文をつけない小倉だけに、町田にも全権委任だろう。それだけに「プレッシャーですね、小倉さんはオーラが違う」と、町田は神妙な面持ちで二次予選に向けて、競輪頭脳の回路をフル回転させるのだ。

竹内祥郎記者

2021年7月1日 20時22分

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