会心のレースで女王の座に
平塚競輪場で開催されたグランプリシリーズ初日の12月28日に、「ガールズグランプリ2017」が行われた。優勝はタイヤ差で石井。逃げる奥井を追い込んでグランプリ初制覇。優勝賞金1000万円(副賞含む)を手にして、初めての賞金女王に輝いた。
「ガールズケイリンができる前から応援してくれている人たちもいた。長年のファンの方、お待たせしました」
ガールズ2期生として13年にプロデビューも、エキシビションとしての「ガールズケイリン」で勝ち続け、知られた存在だった。グランプリは5年連続5回目の出場。デビューから一度たりとも、ベスト7の座から陥落することはなかったが、一昨年の準Vが最高の成績だった。
「今年はどうしても優勝って、この一年間をやってきた」
大外枠の7番車はガールズケイリンにとっては大きなハンディ。そのハンディを抜群のスタート力ではねのけて周回中は2番手を確保。後続の動きを待つことなく自らを信じて動いた。
「チャンスは1回だと思ったので、自分を信じて練習の成果を出そうと思いました。突き進んで自分を信じて行った。そしたら奥井さんが来て飛び付けたので、これはチャンスあるなって思ってました」
1カ月の集中トレーニングで、今回初めて使った3・79のギアをモノにした。
「奥井さんはすごいスピードでした。まず落ち着いてと。最後踏んだけど、差せたかどうかわからなかった。そしたらファンの方が言ってくれて(優勝が)わかりました」
奥井に飛び付いて長澤に踏み勝つと、あとは奥井とのマッチレース。ハンドル投げでタイヤ差だけ出たところがゴール。念願のグランプリチャンプの座を手に入れた。
「グランプリの優勝は夢でもあったので、本当にうれしいです。気を引き締めて、また明後日から練習します」
初の賞金女王にも輝いた石井は、1日だけのオフ。17年中の練習再開を約束して、来年を見据えるのだ。
奥井は、昨年に続く先行策からの2年連続の準V。
「なかなか先行の神様が…。ジャンから行くって決めていた。無欲というか勝ちにこだわるよりも走りで魅せたいって思っていた。でも、お客さんのためには勝ちたかった」
石井の後ろで脚を溜めた梶田だったが、最終バックではかぶって3着が精いっぱい。
「奥井さんの先行に乗っていこうと思っていました。かぶってしまったのが残念です」