1・2班戦は混戦模様 ~松阪ミッドナイト~

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出澤拓也
自在戦でV争いを制するか
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橋本英也
規格外の走りは魅力十分

 豊富な戦力を誇るのは南関勢に期待する。軸になる出澤拓也は変幻自在な攻めが売り。S降りの松永晃典に伊藤拓人も目標次第で勝機はある。けん引役の大関祐也が相変らずの乱調なのは痛いが、遠征同士で売出し中の前川大輔に乗っていけるようなら優位にレースを運べる。
 ここに来て急成長を遂げた磯川勝裕に期待する手も。6月函館は準V。今期初戦となった7月立川は決勝で菊池岳の逃げを力ずくでまくって、1・2班戦初優勝を飾っている。機動力を存分に発揮できる今シリーズもチャンスだ。
 中部勢は地元の西浦仙哉に朝日勇、富永益生がV候補に挙げられる。中近でベテランの酒井耕介まで加わるようなら、さらにラインは強化される。

 混戦だが、ここ5場所で2Vを遂げている出澤を信頼したい。12月に練習中の落車で約2カ月を棒に振ったものの、復帰後は着実に成績をアップさせて存在感を増している。自力の決まり手がないように今は早仕掛けはないが、直近の7月平塚の優勝がそうだったように前々で好位を捌いてのタテ脚勝負という自分の走りを確立させているのは強み。まだ番手戦よりも、自分がラインの先頭で戦うレースが基本なので、目標手薄は決してハンデにはならない。南関勢の軸としてきっちり役割を果たす。

 チャレンジには、長谷部龍一を始め4名の117期が参戦するが、本命はチャレンジに再び戻った橋本英也だ。レベルの違う強地脚で規格外のレースを繰り広げてきたが、番手を回る柔軟性も持ち合わせているので、スピード自慢の長谷部の番手ならますます負けられない。オリンピックが1年延期となったことで走れる一戦。新人の力量を図ってレースを楽しみながら結果を出す。

 橋本は、日本の自転車中距離種目のエースで、東京オリンピック代表にも内定している選手。9割は競技生活だが、合間、合間に競輪にも出走してきて規格外の実力を発揮している。初の1・2班戦だった前期は2場所しか走れなかったが、6月福井は11着で決勝に進出しておりポテンシャルの高さは疑いようがない。今期は再びのチャレンジだが、チャレンジは過去12場所で30勝し、6V、準V3回で着外はゼロ。信じられない長距離を踏み切る脚がある一方、ラインの機動型と同乗した場合には番手戦も全くためらわず結果を出しているところもユニークなところ。新人が入ってきてもチャレンジではレベルが違うし、今回は同県の長谷部を目標にできそう。“オリンピックが1年延期になったもモチベーションを保つのが大変な選手もいると思いますがが、僕の場合は競輪を走ることでモチベーションを保つことができる”。出場が決まっている8月の2場所も全力で魅せる。

権田浩一記者

2020年8月3日 13時40分

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