実力伯仲で混戦模様 ~松阪ミッドナイト~

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山口智弘
ホーム名古屋で初優勝など復活ムード
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橋本英也
全日本選手権を前に、競輪でも見せる

 10月27日からの松阪ミッドナイトは、中部、近畿の2地区対抗戦。ガップリ四つの争いとなりそうだが、中部がやや優位で、そろった愛知勢から優勝者が出るか。点数最上位で、軸となる舘泰守は8月向日町で4番手から直線突き抜けてVをゲット。その後もVこそないが、堅実にV争いを演じている。まくり脚もあるので自分で動くレースでも問題ないが、10月大垣でも連係した同県の水谷将司や、10月名古屋ミッドナイトを優勝と近況良好な山口智弘がいるここは追い込み勝負となろう。水谷と山口の前後など並びは流動的ながら、ラインで上位独占可能な陣容だ。中部では、10月四日市117着の初日特選、準決で強敵を次々に破った西浦仙哉もまくり脚が冴えていて怖い存在。最近は優参回数が増えているように勢いだけでない安定感があるし、ホーム戦で伏兵に止まる気はない。9月豊橋ミッドナイトでは完全Vと岩本和也もベテラン健在ぶりを示しており、V候補の一角を占める。
 近畿勢は中村一将がリーダー格。降級2戦目の7月和歌山を制してからはVこそないが、舘と同様に貫禄を示して安定プレーを演じている。10月富山の準決は、赤板の1コーナーから逃げて1着。まだまだ自力は健在だが、積極性ある高田修汰と同乗なら、番手を回ってVを狙う可能性が高い。さらに9月に怪我から復帰するやヒットを連発している松田治之の差し脚にも注目。

 昨年11月の落車で左鎖骨を骨折したのが尾を引き、前期には予選敗退が続くどん底を味わった山口が息を吹き返した。今期は初戦の7月松阪ミッドナイトを連勝で決勝進出を果たすと、その後は同月名古屋で準V。8月岐阜、9月福井を決勝3着。そして、10月名古屋ミッドナイトでは“やっと名古屋で優勝できた”と1年4カ月ぶりの優勝を決めた。“(復調したのは)いい練習ができるようになったからだけど、まだ脚がないですね。名古屋の優勝は出かかったけど、前が頑張ってくれたおかげですから”。直近の10月函館では連日、舘の前で自力勝負をしたようにまくり主体の自力戦がまだ主戦法ながら、番手戦も増えてきていて戦法の幅は広い。“レースは見えている”と今シリーズも愛知勢のキーマンとなりそう。

 長谷部龍一、橋本英也の岐阜コンビがチャレンジのV戦線をリードする。本命は橋本。長谷部とは8月当所ミッドナイトの準決、決勝、同月和歌山の決勝と前後を入れ替えて連係し、いずれも橋本は勝っている。東京五輪代表にも決まっている自転車中距離界のエースは、五輪が延期になったことで6月から練習の合間を縫って月一ペースで実戦に参加中。実戦復帰後の5場所で優勝はいずれも長谷部との連係からと気心知れた高校の後輩との相性は抜群で、今回もリラックスして力を出し切ろう。“オリンピックが延期になったのはもう吹っ切れている。モチベーションを保つのが大変な選手もいると思いますが、僕の場合は競輪を走ることでモチベーションを保つことができる。ワクワク感が大事だし、面白いレースがしたい”。長谷部に前を任せる可能性も高いが、スケールの大きい走りにも期待したい。

権田浩一記者

2020年10月26日 14時55分

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