福井コンビに注目だ ~大垣ミッドナイト~

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脇本勇希
持ち前の先行力でレースを支配する
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長屋秀明
j地元も3連勝して次の場所で特班だ

 10月24日からの大垣ミッドナイトは近畿勢の層が厚い。そろって勝ち上がればラインを分けての勝負となりそうだが、まず注目は脇本勇希、清水剛志の福井コンビだ。脇本は8連勝して8月佐世保で特進に王手を懸けた実績がある。決勝は落車して特進は果たせなかったが、約1カ月間欠場した後の走りはまずまず。持ち前の先行策でレースを支配すれば、マーク有力な清水に絶好の展開が訪れそう。清水は8月福井を完全優勝すると、9月豊橋、和歌山を準V。しっかり練習できていて好調だし、番手戦も苦にしないので、勝機は逃さない。近畿では、北川大五郎や古賀勝大も怖い。北川は直近の10月四日市をV。決勝は同郷の新鋭・土生敦を利したもので、ここも古賀の番手も視野に入りそう。古賀は7月に昇班するや決勝の常連に定着した。まだ優勝こそないが、内容重視の走りで存在感を発揮しており、同期の脇本にも牙をむくかも。
 中部勢は、堀兼壽、大谷靖茂の機動型を軸に立ち向かう。10月松阪を連勝で優参した堀兼壽も好調ムード。松坂の準決では中団まくりで清水らを一蹴した。地元戦でV争いに参戦だ。大谷は自力基本とは言え、最近は若手の番手を回るケースも増えてきている。前走の10月向日町の優勝も藤井侑に乗ったもので、ここも動向が注目されよう。

 ミッドナイトはデビュー以来これが3度目という脇本は、偉大な兄を追う徹底先行。昨年12月のレインボーで優勝して特班。4場所目の1月静岡で早くも初優勝して大物ぶりを示した。その後はやや苦戦も目に付いたが、5月名古屋以降は12場所連続優参中とすっかり安定感も身に付けた。7月豊橋、同月岐阜を連続完全優勝し、S級特進の懸った8月佐世保も予選、準決を連勝したが、決勝で無念の落車。ただ、1カ月休んで復帰後も決勝には乗れているし、戦える状態にあるのは間違いない。
 「怪我自体大した事なかったし、脚自体は良くなってると思います。ただ、ダッシュのキレがなくなってて、決勝も行く所で行けなかったりで、大きな着を叩いてしまって。ちょっと自信をなくしている感じですね…」
 しかし、前を向くしかない。“カマシに頼らず、押さえて駆けたり先行基本のレースで幅を広げていきたい”。ここも課題を見据えて積極的にレースを組み立てる。そろそろかみ合ってきて決勝でも結果を出すか。

 チャレンジはやはり強力な新人によるV争いだが、長屋秀明が地元で主役は譲らない。本格デビュー後は順調そのもので、7場所で4V。直近の10月名古屋ミッドナイトは完全優勝している。決勝はまくりとなったが、2角6番手から仕掛けて、先まくりの小松原正らをねじ伏せた。「(名古屋の決勝は)赤板で誰も来なかったので突っ張りも考えたんですが、小松原さんが来たので引いての勝負になりました。先まくりの上を行く形になってキツかったけど、踏み出した感じは良かった。練習通りの力は出せたと思います。次もその次も勝って特班したいです」。自転車の名門校で活躍したスプリンター。ダッシュに一番自信を持ち、実戦では先行、まくりとバランス良く使い分けている。目標とする特班へ、目指すは完全優勝するのみだ。水森湧太、枠元一葵らライバル達を寄せ付けないだろう。

権田浩一記者

2020年10月23日 13時23分

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