ようやく自転車がマッチした守澤太志 ~四日市競輪場~

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守澤太志
寛仁親王牌の決勝で魅せたあの強烈な〝決め脚〟をもう一度
久々の記念制覇へ集中力を研ぎ澄ませる

 11月12日(土)にシリーズ3日目を迎えた四日市競輪開設71周年記念『泗水杯争奪戦』の準決勝を突破した9名によって13日(日)に決勝戦が行われる。グランプリ王者の古性優作(100期・大阪)はもちろん、地元の浅井康太(90期・三重)と坂口晃輔(95期・三重)もしっかりと決勝に進出。年末に行われるヤンググランプリの出場権を得ている新鋭の橋本優己(117期・岐阜)も3日間、積極策でアピールしながら勝ち上がってきてシリーズを盛り上げているが、S班の守澤太志(96期・秋田)も黙ってはいない。今年は全プロ記念競輪を制しているが、メンバーこそ豪華だったとはいえグレード自体はF2開催。今年最後のG1となる競輪祭を前に久々の記念制覇を狙っている。

 「宿口さんも京王閣記念を獲っちゃったから、S班で今年の記念(G3)を獲っていないのは自分だけになちゃいました(苦笑)。自分は今回が最後のチャンスなので頑張りたい」と前検日に冗談交じりに話していたが、しっかりと決勝へと勝ち上がり優勝のチャンスを窺っている。
 
 今シリーズは競輪祭を見据えて新車を投入しているが、3日目にしてようやく手応えをつかんだ様子。準決勝と同様に連係する坂井洋の仕掛けに乗ってVコースを探す。
 「準決勝は判断ミスもありましたけど、自転車の感覚は一番でしたね。坂井君とは準決が初めての連係でしたけど、一回付けたことでなんとなく雰囲気というか感覚もつかめたので。なんて言ったって坂井君は前年度覇者ですからね。相手も強いですけど信頼して任せます。先行なんて全然、期待してませんよ(笑)もちろん坂井君が優勝を狙って仕掛けてくれれば。自分自身もスピードを貰う展開の方が好きなんで。四日市は直線が長いですし、準決勝もその直線に助けられて東口(善朋)さんにも伸び勝てたので。チャンスはあると思ってます」。
 
 今シリーズは初日、2日目と先行の番手で最終バックを迎え、準決も中団以内でレースを運べているため、あわや初戴冠かに思われた前回の寛仁親王牌決勝のような目の覚めるような決め脚は影を潜めているが、後方からでも突っ込めるのが守澤の大きな魅力の一つであることは間違いない。
 「もちろん、展開が向いてくれるにこしたことはないですよ(苦笑)厳しい展開が好きなひとなんていないですよ。でも最悪の展開になった時のことは考えているんで、もしそうなったらそうなったらでどうにかするしかないですね」

 地元の二人を連れて新鋭の橋本が果敢に攻めそうで、レース運びの巧い古性が中団をソツなくキープする流れになれば坂井と守澤は後方に置かそうだが、たとえ9番手になったとしても決して諦めない。直線の長さが62.4メートルと400走路の中でも長い部類に入る四日市バンクなら十分にチャンスはあるだろう。

 

細川和輝記者

2022年11月12日 22時58分

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